【質問 No.1】 ADHDは薬で治る?

 

こんにちは!

 

精神科医のDr.おもちです。

 

今日はこんなご質問です。

 

『先日、夫がクリニックを受診した際にADHDの疑いがあると言われ、

 薬と漢方薬の二種類を処方されてきました。

 疑いというだけで、

 確定診断もなされていないのに薬は処方されるものなのですか? 

 また、ADHDは薬を飲まないと治らないのでしょうか?』

  

 ご家族は、

確定診断がついてから初めて薬の処方がされるものと思われていたそうです。

 

 

【回答】

ADHD(注意欠如・多動症の特徴的な症状は

一般的に             

  • ソワソワして落ち着かないという多動や衝動性
  • うっかりミスが多く忘れ物が多いなど不注意

が挙げられます。

 

もしかしたら自分はADHDなのでは?と心配され、

来院される方も多くいらっしゃいます。

 

ですが、

ADHDの診断は確立された検査がないのが現状です。

現時点では脳画像検査や血液検査、脳波ではわからないんです、、、

もちろん研究では様々な初見が得られていますが、

まだ診断に耐えうるものではありません。

                       

もし、

ADHDの診断ができる検査があると謳っているクリニック があったら

眉唾ではないかと少し疑ったほうがいいかもしれません。

 

おそらく担当の先生は、

このように確定診断を行う検査がないということから、

ADHDということを断言せずにADHD疑いとぼやかして言ったのではないでしょうか?

どんなに確信度が高くても精神科医心療内科医は

「〇〇の可能性がある」と断定することを避けます。

もちろん、

検査が全て無駄というわけではなく心理検査などは診断の一助にはなりますよ。

(いざ検査となったらぜひしっかり受けて下さいね)

 

また、

どのようなお薬が処方されたかの詳細はわからないのですが、

ADHDは薬物治療等によっての基本的には完治が難しく、

どちらかというと性格の偏りとも言えます。

(それが強く出るか弱く出るかで、

症状ととらえられたり、性格ととらえられたりするんですね)

そのため、

治療には症状を抑えるといった方針をとることが一般的です。

今回処方されたお薬も

おそらくは症状を少しでも和らげられればと

対症療法(例えば腹痛がある際の痛み止めのようなもの)

として処方されたように思われます。

 

結論、、、、

おそらく処方された先生は

診断の断定はできないけれども、

症状として落ち着きのなさや注意力散漫という症状があるため

それを和らげる薬を使用しましょうということかと思います。

また、

この薬物治療はあくまでも症状を和らげるためであって

その完治は基本的には難しいと思った方がいいと思われます。

ADHDは性格の偏りとも言えますから、、、ね。

 

 

今日も良い日でありますように!

 

 

 

↓もう少し詳しく説明しています!↓

seishinigaku.com